グノーシアは人間同士よりも人間らしい生き残り議論ができる

f:id:st2008noto:20200504170611j:plain

グノーシアは人間に紛れ込む

最近Nintendo Switchで発売された「グノーシア」をたびたびプレイしている。

一言でいえば「一人用人狼シミュレーション」といった感じのゲームなのだが、それだけでは伝えきれない面白さがこのゲームにはある。ざっくり紹介したい。

 

舞台は宇宙船


f:id:st2008noto:20200504185331p:plain

舞台はとある宇宙船で、主人公は記憶を失った状態で皆と顔を合わせることになる。何もわからないまま、未知の敵であるグノーシアが誰か推理し、投票でコールドスリープさせるという流れに巻き込まれる。

 

f:id:st2008noto:20200504191451p:plain

役職一覧

役職は以上の通りで、人狼ゲームを知っているならばすんなり理解はできるだろう。

上記を見てもらえばわかるが人間側は嘘をつけず、人外側のみ嘘をつける

村人の役職騙りのような高度なプレイはできない。

そして、嘘は後述の「直感」によって見抜かれる場合がある。

 

f:id:st2008noto:20200504174040p:plain

演技力が低いので嘘に気付かれ、疑われている

嘘を付くには演技力が重要。ある程度演技力を伸ばさないと嘘に気づかれ、怪しまれてしまう。また、嘘を見抜くには直感が必要。直感の高いキャラクターの前で嘘をつくといずれバレてしまう。

「発言がまるっきりの嘘かどうか」を問答無用で感知できるこのシステムは人狼ゲームとしてみると異質だが、この仕組みをふまえた上でNPC達の行動を見ると「さっきまでセツを擁護してたコメットが急に手のひらを返しだしたのは、何かしらの嘘に気づいたからだ」などと推理しやすく、普段とは違った面白さがある。

 

f:id:st2008noto:20200504190702p:plain

夜パートではグノーシアによる襲撃やエンジニアによる調査(≒占い)などが行われるが、NPC1人と会話を行うADVパートも挟まれる。

会話を行うと友好度が上がるらしい。また、キャラクターごとのプロフィールを解放するチャンスなので、気になる人とは積極的に会話をしていこう。

 

このADVパートで「アイツは嘘をついていた」というように嘘を密告してくれることがある。かなり重要な情報なのだが、「嘘の密告自体が嘘」という厄介な密告が入る場合もある。嘘をつけるのは人外だけなのでどちらにせよ重要なのは変わりないが、密告を信じる場合は密告者が信用に足る人物かを推理しなければならない。

 

ADVパートは何度もループを繰り返さないと網羅することはできないが、1ループは早くて5分ほどで終わり、リプレイ性も良好。サクサクこなせばADVパートというご褒美を貰いつつ何度も遊べる。

何度もプレイすることで、この宇宙船は何なのか、皆はどんな思考で議論に参加するのか、グノーシアとは何なのかがうっすら見えてくるかもしれない。

 

生き残りたいが故に回り道をしなければならないジレンマ

f:id:st2008noto:20200504193250p:plain


普通の人狼ゲームであれば、自陣営のために自身が犠牲になる(人柱やロラなど)ことは至極当然である。それは目標が陣営勝利であり、極論を言えば自身が死のうが生きようが勝てればいいという全体主義的な思想が当然ともいえるため。

 

対して「グノーシア」は、生き残らなければADVパートの続きが見られないため自分が生きる理由がある(ついでに、スキル振りに使うEXPの獲得も最後まで生き残って勝利したほうが量が多い)。

NPCにもそれは言えるため、極端な話ではあるが初日にエンジニアCOを求められた時に真エンジニアが出てこないこともある(だいたいの場合は守護天使がいないせいで死ぬ可能性が高いため)。

論理的思考がニガテなNPCは「なんかコイツ嫌い!」とかそんな理由で票を入れてくることもあるし、自分の発言があまりにも多い/少ないと怪しまれて投票されてしまう場合もある。

また、グノーシア側からしても厄介な発言をする人間は早くに消しておきたくなるため、目立った発言ばかりしてるとグノーシアの襲撃対象に選ばれてしまうこともあるのだ。

このような理由もあって議論を自分の思ったような方向に進めていくのはなかなか難しい。感情的なNPCを説得するのには骨が折れるし、発言数がかさむとそこを怪しまれ、目立った結果グノーシアに消されてしまうのだ。

 

その辺りをなんとかやりくりするのも醍醐味だ。

f:id:st2008noto:20200504194529p:plain

議論は「コマンド」をつかって行う。例えば「疑う」は対象を直球で黒塗りする行為なので、対象からは当然だが嫌われる。また、「弁護する」や「反論する」などもかなり目立つ行為なのであまり連発するのは良くない。

 

ここで「弁護に加わる」や「疑いに同調する」などが便利と気づく。誰かが疑ったり弁護したときにすかさず「あー私もそうだと思ってたんですよね」と入り込むことにより、黒塗り、白塗りを助長しながらも自分はさほど目立たないという姑息頭脳プレイが可能。ほどほどに議論に参加しながら目立たずに済むため、狙われずに議論の行き先を操作できる。

 

ここまで来ると人狼ゲーでありながら生き残るための舌戦という側面も出てくる。

「自分目線ではアイツは真っ黒なので票を集めたいが、周りはなかなか説得に応じてくれない。でも2番目に黒そうなアイツに票を集めることはできそうだからそっちにしよう」といった苦しいやりくりもまた楽しい。

 

人狼ゲー経験者だけでなく、ADV系が好きな人にもおすすめです。